地主の視点による借地権買取事例

次のケースは、地主側の視点に基づくものです。30年を経過する借地上に築30年の戸建てを所有している借地権者との間で、借地契約が満了となり、双方合意により借地契約を解約することになったと仮定しましょう。借地権者からは借地権そのものの評価については言及がなく、建物の買取のみ請求されています。この場合には、地主側は建物を時価で買い取ることになりますが、時価の算出方法は必ずしも明らかではありません。

判例を紐解けばおおよその考え方は示されているのですが、当事者間で合意できればいくらでもよいのです。ただ考え方を示せといわれれば、何かの基準が必要でしょう。円満に解決したいのであれば、例えば当該建物の固定資産税評価額がひとつの目安になります。念を入れれば判例に従い、借地権価格の相場に10~15%上乗せするのも一考です。

後々の争いを防ぐためにも、借地権契約の解約を原因とする建物の譲渡であることを明記した売買契約書をしっかり作成するとともに、未登記であれば借地権者名義で所有権保存登記を行ってもらい、売買を原因とする所有権移転登記を行うことで譲渡を完了させましょう。第三者で権利を主張する人間が現れない保証はありませんので。専門家に相談することでこういった念の入れ方も整理できます。